ホワイトシェパードを迎えたいと考えているあなたへ。
「値段はいくら?」「ブリーダーとペットショップ、どっちがいい?」——検索すれば、たくさんの記事が出てきます。でもこの記事を書く前に、まず私の話を少しだけ聞いてください。
我が家にはこれまで、2頭の大型犬の記憶があります。
1頭目はグレートピレニーズ。ブリーダーさんから迎えた、白くて大きな家族でした。けれど生後数ヶ月で股関節形成不全が見つかり、手術費用は当時最大で150万円と告げられました。家族で何度も話し合い、ブリーダーさんとも相談し、最後まで一緒にいられない決断をしました。
その後の1ヶ月、家には大きなゲージだけが残り、家族みんな鎮痛な思いで過ごしました。「そろそろ片付けようか」と話していたある日、たまたま立ち寄ったペットショップで、白いホワイトシェパードの子犬と目が合いました。
あの出会いから10年。今、私のそばにいる子です。
だから私は、ネット記事でよく見る「ブリーダーが正解、ペットショップはダメ」という単純な答えには頷けません。両方を知る飼い主として、検討中のあなたに伝えたいことを、この記事に書きます。
ホワイトシェパードの値段相場【最新版】
まずは検索してきたあなたが一番知りたい「いくら?」からお答えします。
現在のホワイトシェパードの相場
ホワイトシェパードの子犬の価格相場は、20万円〜50万円が中心です。
| 購入ルート | 価格帯 |
|---|---|
| ペットショップ | 20万円〜35万円 |
| 一般的なブリーダー | 25万円〜40万円 |
| 血統重視のブリーダー | 35万円〜50万円以上 |
ホワイトシェパードは日本での飼育頭数がまだ少ない犬種なので、トイプードルや柴犬のような流通量はありません。「お店に行けばいる」というよりは「探して見つける」犬種です。ホワイトシェパードのブリーダーさんも、絶対数が少ないですね。
価格を左右する5つの要素
同じホワイトシェパードでも、価格にはこれだけ差が出ます。
- 血統:両親・祖父母の血統書、チャンピオン犬の有無
- 月齢:生後2〜3ヶ月が最も高く、半年を過ぎると下がる傾向
- 性別:オスのほうがやや高めなことが多い
- 毛色・ルックス:純白に近いほど高価
- ブリーダーの実績:健康検査・受賞歴・信頼度
10年前、ペットショップで20万円台でした
参考までに、10年前にうちの子を迎えたペットショップでの価格は20万円台でした。当時としても決して高くはなく、ホワイトシェパードという珍しい犬種を考えると、むしろ良心的だったと思います。
今の相場と比べると、この10年で物価高や繁殖コストの上昇もあり、全体的に少し値上がりしている印象です。
【1頭目の話】グレートピレニーズと過ごした、短く濃い時間
ここからは、あなたに知っておいてほしい私の経験を書きます。少し長くなりますが、お付き合いください。
ブリーダーから迎えた、白くて大きな家族
1頭目はグレートピレニーズ。ホワイトシェパードと同じく、白くて大きな超大型犬です。
「絶対にブリーダーから迎えたい」——当時の私たちはそう決めていました。健康管理がしっかりしていて、親犬も見せてもらえる。ペットショップより安心だと信じていたからです。
ブリーダーさんを訪ね、両親犬にも会わせていただき、納得して我が家に迎え入れました。
子どもたちは大喜びでした。家族みんなで名前を考え、寝る場所を整え、散歩道を相談し——まさに新しい家族を迎えた幸せな時間でした。
生後数ヶ月で告げられた、股関節形成不全
異変に気づいたのは、迎えてから少し経った頃でした。
歩き方が、なんとなくおかしい。ひょこひょこと、後ろ足をかばうような動き。「子犬だからこんなものかな」と最初は思いましたが、散歩を嫌がり、家から出発して200mくらいでしょうか、その場に座ってしまって、動かなくなり、抱きかかえて帰りました。これは・・・と思って大きな動物病院へ。
診断は、股関節形成不全でした。
グレートピレニーズもホワイトシェパードも、超大型犬は股関節形成不全のリスクが高い犬種です。後から知ったことですが、これは遺伝的要素が大きく、完全に予防することは難しい疾患でした。
獣医師から告げられた手術費用は、当時の最大見積もりで150万円。それでも完治の保証はなく、「生涯にわたるケアが必要かもしれません。」と言われました。
頭が真っ白になりました。
子どもたちと、泣きながら話し合った日々
家族会議が始まりました。
私たち夫婦だけでなく、子どもたちも含めて何度も話し合いました。子どもたちは「治してあげたい」「お別れなんてしたくない」と泣きました。私たち親も、もちろん同じ気持ちでした。
でも現実問題として、150万円という金額、その先に続く大型犬の生涯のケア、もし手術が成功しなかったときのこと——いろんなことを考えなければなりませんでした。
ブリーダーさんにもご相談させていただきました。「こちらの見落としで、大変申し訳ありません。」と「手術の代金のお支払いは厳しい」「こちらで引き取らせてください」「ちがう別の子でもいいですよ」と言われましたが、犬は、物ではないので、こちらも複雑な思いでした。
来る日も来る日もも話し合いました。
最終的に、ブリーダーさんと相談し、お返しするという選択をしました。ブリーダーさんとその時にお約束させていただいたのが、「看取るまで飼い続けてください」とお願いしました。これは「捨てる」ではありません。ブリーダーさんも誠実に対応してくださり、その子の今後を引き受けてくださいました。一度だけ、その後の様子を見に行ったのですが、ゆっくりながら元気に野山を歩いていました。
でも、わかっています。手術費用をブリーダーさんが持ってくれるわけがないこと。これは契約上もそうですし、現実的にも難しい話です。「ブリーダーから買えば安心」と思っていた当時の自分の認識は、甘かったのだと痛感しました。
家族みんなで、たくさん泣きました。子どもたちが泣いている姿を見ているのが、一番つらかったです。帰る前日に、家族で泣きながらお別れ会をしたのですが、本当にこれで良かったのか?私達の選択は、間違っていないだろうか。親の私達もギリギリまで悩みました。当日は、子ども達が学校へ行っている時間に引き取りに来てもらいました。私も立会ましたが、直視できずで・・・今でも書きながら涙が出てきます。
残されたゲージと、運命的な出会い
家に残った、大きなゲージ
その子がいなくなった後、家には大きなゲージだけが残されました。
リビングの一角を占める、超大型犬用のゲージ。そこに小さな白い体がいないという現実がありました。
家族みんな、しばらくは静かに過ごしていました。誰もその話をしたがらず、でも誰もが心の中ではずっと考えていたと思います。
そんな日々が、1ヶ月ほど続きました。
「そろそろ片付けようか」と話していた、あの日
ある日、家族で話しました。「ゲージ、そろそろ片付けようか」と。
もう犬を飼うつもりはなかったんです。あんなにつらい思いを、家族にもう一度させたくなかった。
ゲージを片付けたら、本当に終わり。気持ちの区切りをつけよう——そんな気持ちで過ごしていた、ある休日のことでした。
たまたま寄ったペットショップで
家族で出かけた帰り、本当に「たまたま」立ち寄ったペットショップ。買い物のついでに、なんとなく覗いただけでした。
そこに、白い子犬がいました。
ホワイトシェパード。日本ではあまり見かけない犬種です。なぜそのお店にいたのか、今でも不思議です。
目が、合いました。
その瞬間のことは、10年経った今でも覚えています。家族みんな、立ち止まって、その子を見ていました。誰も「飼おう」とは言いませんでしたが、誰もその場を離れられませんでした。
連れて帰ることに決めたのは、3日後のことです。次の日に、もう一度、見に行って詳しく話を聞いて・・・帰りました。妻と話をして、次の日連れて帰ることにしました。
子どもたちの顔がパッと明るくなりました。1ヶ月ぶりに、家族の中に光が差したような瞬間でした。
あの出会いがなければ、今の10年はありません。ビビッとくるとは、このことかもしれませんね。
2つの経験から学んだ、本当に大切な3つのこと
ここから先は、検討中のあなたに伝えたい話です。
私は1頭目をブリーダーから、2頭目をペットショップから迎えました。両方を経験した飼い主として、本当に大切だと思うことを3つお伝えします。
① 遺伝性疾患は犬種・購入ルートを問わず起こりうる
これが、私が一番伝えたいことです。
「ブリーダーから買えば健康な子が来る」「ペットショップは健康面が不安」——よく聞く話ですが、私の経験は違いました。
ブリーダーから迎えたグレートピレニーズには、遺伝性疾患が出ました。ペットショップから迎えたホワイトシェパードは、10年経った今も大きな病気をしていません。
もちろんこれは「我が家のケース」です。一般的にはブリーダー経由のほうが健康管理は手厚いし、その傾向は事実だと思います。
でも、「ブリーダーから買えばリスクゼロ」ではない。これは間違いなく事実です。
だからこそ、ブリーダーから迎える場合は、親犬の健康検査の書面を確認することが大切です。「健康検査済みです」と「結果を見せてもらえる」は別物。具体的なグレード(OFAやPennHIPの結果)まで見せてもらえるブリーダーさんが信頼できます。
② どこで買うかより「迎える前の覚悟」が大切
私たちが1頭目で痛感したのは、大型犬の医療費の重さでした。
最大150万円という手術費用。これは特別なケースではなく、超大型犬の整形外科手術ではあり得る金額です。生涯のケアまで含めると、想像以上の出費になります。
だから、迎える前に必ず考えておいてほしいことがあります。
- ペット保険への加入を最初から想定しておく(超大型犬は保険料も高めですが、入っておくと安心)
- 家族全員で「もし病気になっても最後まで」と話し合っておく
- 緊急時の貯蓄を別枠で準備しておく
私たちは1頭目のとき、ここの覚悟が足りていませんでした。
アマゾンペット保険③ 出会いは「正解」では決まらない
これは少し感情的な話かもしれません。
私はネット記事をたくさん読んで、「ブリーダーから買うのが正解」と信じて1頭目を迎えました。結果として、つらい別れを経験しました。
その後、たまたま立ち寄ったペットショップで2頭目に出会い、10年の宝物のような時間を過ごしています。
「正解」を探していた私が、最後にたどり着いた答えは——正解なんてない、ということでした。
大切なのはどこで買うかではなく、迎えた後どう向き合うか。心が動いた瞬間を信じてもいい。その後の10年、15年を、家族として全力で愛せるかどうか——それだけが、本当に大事なことだと今は思っています。
それでも知っておきたい、ブリーダー見学の3つのチェックポイント
とはいえ、これからブリーダーから迎えようと考えているあなたのために、見学時のチェックポイントもお伝えします。1頭目のとき、もっと深く確認していればよかったと思うことです。
① 親犬の健康検査の有無を「書面」で必ず確認
ホワイトシェパードがかかりやすい遺伝性疾患は以下の通りです。
- 股関節形成不全(超大型犬全般のリスク)
- 肘関節形成不全
- 進行性網膜萎縮症(PRA)
- 膨満症(胃捻転)
確認すべき検査:
- OFA / PennHIP(股関節)
- OFA(肘関節)
- CERF(眼)
「健康検査を受けています」という言葉ではなく、結果のグレード(Excellent / Good / Fair など)が書かれた書面を見せてもらってください。出し渋るブリーダーは避けたほうが無難です。受けていないブリーダーさんもいらっしゃるかもしれません。
② 見学で見るべき5つのポイント
実際にブリーダーさんを訪ねたら、以下を見てください。
- 親犬に会わせてくれるか(これが最重要。会わせてくれない場合は要注意)
- 飼育環境が清潔か(犬舎・庭・運動スペース)
- 子犬が母犬・兄弟犬と8週間以上一緒にいるか(社会化に重要)
- ブリーダーが質問に正直に答えるか
- 逆に質問を返してくれるか(「あなたは大型犬を飼える環境ですか?」と聞いてくるブリーダーは信頼できます)
③ 親犬の性格をしっかり見る
ホワイトシェパードもグレートピレニーズも、性格が遺伝しやすい犬種です。
- 親犬がフレンドリーか
- 警戒心が強すぎないか
- 子どもや知らない人にどう反応するか
子犬の性格は、親犬で予測できます。我が家のホワイトシェパードも、ペットショップで親犬には会えませんでしたが、後から血統書を辿るとおだやかな性格の系統で、実際にとても穏やかな子に育ちました。
見学時に聞くべき7つの質問リスト
ブリーダー見学のとき、メモして持っていってほしい質問リストです。
- 親犬の健康検査結果を書面で見せてもらえますか?
- 過去の繁殖頭数と頻度は?
- 母犬は1年に何回出産していますか?(年2回以上は要注意)
- 子犬はいつまで母犬と過ごしますか?(理想は8週間以上)
- 引き渡し後のサポートはありますか?
- もし遺伝性疾患が発症した場合の対応は?(これが最も大事)
- なぜホワイトシェパードを繁殖しているのですか?
特に6番。これを正直に答えてくれるブリーダーさんは、本当に信頼できる人です。「絶対に発症しません」と言い切るブリーダーは、むしろ警戒したほうがいいかもしれません。
まとめ:あなたとあなたの子の物語が始まる前に
長い記事を最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
最後にこの記事のポイントを整理しておきます。
- ホワイトシェパードの値段相場は20〜50万円
- ブリーダーかペットショップかという二択ではなく、迎える前にどれだけ準備できるかが大切
- 遺伝性疾患は犬種・購入ルートを問わず起こりうる
- 親犬の健康検査結果を書面で確認することが、ブリーダー選びの最重要ポイント
- 大型犬の医療費は数十万〜100万を超えることがあるので、ペット保険と家族の覚悟を準備しておく
私はグレートピレニーズとホワイトシェパード、2頭の大型犬から、出会いと別れの両方を教わりました。
つらい経験もありました。でも今、ホワイトシェパードと10年の時間を過ごしてきて、心から思います。この子に出会えてよかった、と。
これから迎えるあなたが、一日でも長く愛犬と笑って過ごせますように。
ホワイトシェパードを迎えた後の具体的なお世話については、別記事にまとめていますので、よかったらあわせて読んでみてください。

それでは、今日もよい一日を。


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