【17〜20週目】テーパリング戦略〜本番1ヶ月前の練習量調整で最高のコンディションを作る

ランニング

テーパリングとは何か

テーパリング(Tapering)とは、レース本番に向けて練習量を段階的に減らしていくことです。英語の「taper(先細りにする)」という言葉が語源で、練習量のグラフがレース日に向かって先細りしていくイメージです。

「本番直前こそ練習を増やして体を鍛えるべきでは?」と思うかもしれません。しかし、これは大きな誤解です。体はトレーニングの刺激を受けてから実際に強くなるまで2〜3週間かかります。つまり本番1ヶ月前の練習が体に反映されるのは、レース当日前後ということになります。テーパリングは、それまでに積み上げたトレーニング効果を最大化しながら疲労を取り除く「仕上げ期間」です。

テーパリングの科学的根拠

スポーツ科学の研究では、レース2〜3週間前から練習量を段階的に20〜40%ずつ減らすことで、以下の効果が得られることが示されています。

  • 筋グリコーゲン(エネルギー貯蔵量)が最大化される
  • 疲労で損傷した筋繊維が完全に修復される
  • VO2max(最大酸素摂取量)が向上する
  • 筋力・パワーが増加する
  • 免疫機能が正常化される

つまり、テーパリングをきちんと行うことで、練習を続けるよりもレース当日のパフォーマンスが高くなるのです。

テーパリング中の練習量の目安

一般的なマラソンのテーパリングは、レース3週間前から始めます。

  • レース3週間前:通常の練習量の80%
  • レース2週間前:通常の練習量の60%
  • レース1週間前:通常の練習量の40%
  • レース前3日:軽い刺激走のみ、または完全休息

17〜20週目の週間プログラム

第17週目(テーパリング開始・80%)

曜日メニュー内容
インターバル(短め)1km×3〜4本
ペース走35〜40分
LSD(最終長距離)120〜130分(最長距離)

第18週目(60%)

曜日メニュー内容
ペース走30分(マラソンペース)
軽いジョグ25分
ミドルランニング60〜70分(ゆっくり)

第19週目(40%・レース1週間前)

曜日メニュー内容
刺激走20分ジョグ+1kmをレースペースで1本
軽いジョグ20分
軽いジョグ15〜20分
完全休息

第20週目(レース週)

曜日メニュー内容
軽いジョグ15分
完全休息
軽いジョグ10〜15分(足の確認程度)
完全休息
完全休息
土(前日)軽いウォーキングまたは休息20〜30分程度
日(本番)★フルマラソン本番★42.195km

テーパリング中に起こる「テーパー・マッドネス」

テーパリング期間中、多くのランナーが「足が重い」「体調が優れない気がする」「体力が落ちた気がして不安」といった感覚を経験します。これは「テーパー・マッドネス」と呼ばれる一種の心理的・身体的反応で、完全に正常なことです。

体が慣れていた高い運動負荷が急に減ることで、一時的にだるさや重さを感じることがあります。しかしこれは体が回復し、エネルギーを蓄えているサインです。焦って練習を増やすのは最も避けるべき行動です。

二ポ
二ポ

走りに行きたくなるんですよ。練習量を確保してきただけに・・・走りたくなるんですよ。この漫画のように、体力落ちてるんじゃないかと錯覚します。「走らないと気持ち悪くなるんですよね」今まで努力してきたので、ここは我慢して!!どうしてもというなら、近所のスーパーまで、歩いて行くなど、気分転換する程度がいいですよ。

テーパリング中にすべきこと

  • 睡眠を十分に取る:7〜9時間を確保。レース前日だけでなく、1週間前から良質な睡眠を意識する
  • カーボローディングを開始する:レース3日前から炭水化物中心の食事に切り替える
  • シューズ・ウェアのチェック:本番で使うシューズを数回履いて慣らしておく
  • レースシミュレーション:スタート時刻に合わせて起床する練習をする
  • コースの確認:大会の公式HPでコースマップ・エイドステーションの位置を確認する
  • 前日の荷物準備:当日の朝に慌てないよう、前日までに荷物を準備する

まとめ

テーパリングは「休む」ことに対する罪悪感との戦いです。しかし、この期間を正しく過ごすことが、20週間の練習成果を最大限に発揮するための最終仕上げです。焦らず、体を信じて休養しましょう。次回(最終回)は、いよいよレース当日の戦略と完走後のアフターケアを解説します。

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